肉厚さと甘みで選ぶなら、ホヤの王様である宮城県産のホヤ(マボヤ)

デコボコした真っ赤な見た目。

これは果たして食べ物なのか!?そう思っても不思議ではない外見を持つ「ホヤ」。

「ホヤって、いったいどんな味!?」

「食べたことないけど、なんとなく磯臭いイメージが。。。」

未体験の方にとって、ホヤの味なんて想像もつきませんよね。

でも忘れるなかれ。世の中さまざまな海産物があるけれど、一度口にすれば熱烈ファンになってしまう味。それが海のパイナップルと呼ばれる「ホヤ」の魅力というもの。

今日はそんなホヤ未体験のあなたに、ホヤを愛して10年の熱烈ホヤ店長が全身全霊をこめてその「味と魅力」をお伝えします。意を決してチャレンジすれば、あなたにとって想像もできなかった素敵な「ホヤライフ」が待っているかもしれません。

ホヤの味は、グビグビと日本酒を合わせたくなる罪な味。

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ホヤのお刺身。本場宮城県産ホヤのお刺身は、甘みが強くて肉厚なのが特徴です。

ホヤ好きがこぞって愛する食べ方といえば、外せないのが「ホヤのお刺身」

お刺身こそホヤの醍醐味であり、王道中の王道なのであります。

ひとたび殻を開ければ、そこには黄金色にきらめくプリップリの身。ほとばしる海水、瑞々しさ溢れるホヤの身をザックザクと包丁で切り分け、器にドサッと盛り付ける。

『いやー今年もいよいよ季節ですな。さー今日は食べるぞ!ホヤを食らうぞ!おっと猪口と冷酒も忘れちゃいかん。キリッと冷やした辛口で行こう』

なんていいながら、準備するのもホヤを楽しむ醍醐味のひとつ♪「準備している間に丸ごと一個つまんじゃった♪」なんてのも実はザラでございます。ホヤの身を箸でつかみ、そのまま一気に頬張れば、じゅわ~っと広がる甘み。これでもかと突き抜けていく潮の味。

ズルズル・・・グビグビ・・・。酒が止まらん、あーたまらん。

ぷりっぷりの食感と鮮烈な海の味を噛み締めれば、グビグビグビと日本酒を合わせたくなる罪な味。箸が止まらぬとはまさにこのこと。ホヤの味は、それほどクセになってしまう味なのであります。

本物のホヤの味を知れば、あなたはもう虜に。

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蒸しほや。ホヤは加熱すると旨味が一層際立ちます。

ホヤの味を語る時、聞こえてくるのは賛否両論の声。でもなぜか、ホヤには確実に熱烈ファンを生み出す不思議さがあります。

『ホヤって食べたことがなかったけど、産地で食べてからもー病み付き!』

これは初めてホヤを食した方の言葉。新鮮なホヤを食せば、その甘みと鮮烈な味わいに感動すら覚えます。

『もー美味しすぎて独り占めしたい!買い占めたい!』

熱烈ほやファンの言葉は常に熱狂的です。私も大のホヤ好きですので、独り占めしたい気持ちがよ~くわかります^^

そして「ホヤは苦手」という方が口を揃えていうのがその「匂い」。

『東京で一度食べたことがあるけど、あの匂いが苦手・・・。』とか。

『居酒屋で食べましたが、ちょっと匂いがキツくて・・・。』などなど。

実は本当に新鮮なホヤなら、匂いなんてほとんどしません。

クセなんて、驚くほど皆無です。

熱烈ホヤファンが「ホヤの魅力」を伝えるとき、必ず言う合言葉があります。

「ホヤを食すなら、産地の新鮮なホヤを食すべし」。

まさにその通り。ここまでかと思うほど、まるで味がちがいます。

熱烈”ホヤライフ”をスタートするための3つのルール

ホヤの生産者による、ホヤの殻剥き作業風景。新鮮なホヤであればあるほど、包丁を入れた瞬間に海水が吹き出す。

もしもあなたが実際に「ホヤ」にチャレンジするなら、ぜひ以下の3つのルールをお守りください。熱烈ホヤファンの私としては、これから始まるあなたの「ホヤライフ」を感動的にスタートしてほしい。本物のホヤの味を思う存分楽しんでほしいのです。

~熱烈ホヤライフをスタートするための3つのルール~

(1) ホヤは必ず新鮮な物を産地から取り寄せすべし
(2) ホヤの旬は5月中旬~8月中旬、その時期のものを食すべし
(3) 宮城県産のマボヤを食すべし

国産のホヤには北海道で水揚げされる「赤ホヤ」と、三陸で水揚げされる「マボヤ」の2種類があります。中でも肉厚さと甘さで群を抜くのが宮城県産のマボヤ。そして何を隠そう宮城県は全国ホヤ生産量の8割を占める産地。

間違ってもスーパーや、築地で仕入れようなんて思ってはいけません。産地で水揚げしたばかりのホヤに勝るものはありません。「産地直送」でなければ旨いホヤは味わえない、といっても過言ではありません。本物のホヤの味を知れば、きっとあなたも虜になるはず。

>>「ホヤの旬と販売時期」はこちらを参考に

(番外編) 熱烈ホヤ店長の”ホヤとの出会い”

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ホヤを美味しく楽しむなら、冷酒に限ります。ホヤの味は、まさにお酒をうまくする大人の味。

思えば私がホヤを初めて食べたのはかれこれ10年前。くしくもホヤの名産地で育ちながら、生まれてから30年間口にすることがなかった海のパイナップル「ホヤ」。

しかしながら、あのパンパンに海水を含んだ真っ赤な爆弾のような見た目。いかにも「酒飲み」であろうオジさん達がこぞって買っていくあの得体の知れない赤い物体。幼少期の私には、その見た目にどうしても手が出ない。

ところが30歳になり酒の味も少しは分かってきた頃、なぜかあの赤い物体を無性に食べてみたくなったのです。

そして生まれてはじめて食べたホヤの味は、見た目とは裏腹な、なんとも繊細な味。それは、口の中でじゅわ~っとほとばしる潮の味そのもの。まさに三陸の海が育んだ「海の恵」そのものの味だったのです。

そうか!ホヤの味は酒をうまくする味なのだ!

酒飲みにしか分からない大人の味だったのだ!

暑い夏、旬のホヤをつつきながら、よく冷えた日本酒を傾ける。

あれから10年がたった今でも、これに勝る夏はないのであります。

いや~飲みたくなってきました^^