2014年9月12日の南三陸町

山内鮮魚店店長の山内です。本日の南三陸町は快晴。9月に入り、刺す様な日差しに秋の心地いい潮風が混じり、なんとも過ごしやすい日が続いています。昨日の北海道の大雨警戒警報、そしてFacebookでの友人たちの投稿から垣間みる石巻市の大雨浸水が気になっていましたが人的被害はなく安心しました。昨日の南三陸は雨による被害もなく、おそらく局地的に石巻付近を直撃したものと思われます。石巻ではまだまだ復旧作業が続いていて大変な被害だったことが分かります。

 

さて、およそ一ヶ月前になりますが、仙台から南三陸、そして気仙沼を結ぶ「国道45号線」が変更になりました。変更という言葉しか見つかりませんが、南三陸中心部を横切っていたかつての45号線が「嵩上げ工事」のため通行止めになり、新しくそれを迂回する「仮の道路」が作られた形になります。

 

2014年9月12日の南三陸町

新しくできた仮道路は、空高く積み上げられたおよそ10メートルの盛土と同じ高さまで駆け上がり、盛土をよけるように作られています。ちょうどこんな形で坂を上っていきます。左側が志津川保育所になり、おなじくらいの高さを走っていることになります。

 

2014年9月12日の南三陸町

坂を上る途中に見えるのは「盛土」の山。頂点のところでおよそ10メートル。不思議な光景ですが、近頃は慣れてきました。日を追うごとに高さだけでなく面積も大きくなっているような気がします。

 

2014年9月12日の南三陸町

この写真はその道路の一番高い位置から撮影したものです。電柱のところがかつての国道45号線。ちょうど向こうに車が走っている辺りが、かつて当店があった場所です。私店長は毎日この道を数回往復します。震災からちょうど昨日で三年半。変わっていく町を少しでも写真に収めておかないと、かつてそこに何があったのかそろそろ忘れてしまいそうです。来年の今頃にはこの一帯の嵩上げ工事も完了し、違った風景になるでしょう。不思議なもので、そんな風景を見ていると、やはり自分たちは被災したのだと改めて実感します。様々な記憶を呼び起こす場所が、確実に変わっていくのを感じます。