A. 岩牡蠣と真牡蠣では、育てる期間の長さ、出荷の時期、牡蠣の味、大きさもまるで違います。
主に日本で多く水揚げされる真牡蠣と岩牡蠣は、水揚げされるシーズンも違いますし、育て方も違います。マガキとイワガキ、双方の牡蠣の味の違いも含めご紹介します。

日本国内で最も多く出荷されている牡蠣の種類は『岩牡蠣(イワガキ)』と『真牡蠣(マガキ)』。岩牡蠣と真牡蠣を比べると、育つ期間や産卵時期、旬として出荷される時期や味、そのすべてに大きな違いがあります。

産地もざっくり大きく分けると、岩牡蠣は日本海側が多く、真牡蠣は太平洋側で多く養殖されています。

「岩牡蠣」は夏が旬。大きくてジューシーな味

岩牡蠣の旬は夏で、水揚げ時期は6月~9月のおよそ3ヶ月間です。岩牡蠣は産卵期の数ヶ月を時間をかけてゆっくり産卵するため、水温が高い夏の間でも味が落ちることがなく出荷することができます。

また岩牡蠣は時間をかけて成長するため、殻と身が非常に大きく育ちます。真牡蠣に比べ、大きさも厚みもあり、見た目で明らかに分かるほどのボリュームです。

岩牡蠣の味はその大きさ所以、繊細でジューシーな味わいが特徴です。また岩牡蠣には「天然もの」と「養殖もの」が存在するのも特徴のひとつです。

「真牡蠣」は冬が旬。旨味たっぷりでクリーミーな味わい

真牡蠣(マガキ)の旬は冬。水揚げ時期は10月~4月の半年間です。岩牡蠣は産卵期の数ヶ月を時間をかけてゆっくり産卵するのに対し、真牡蠣は産卵期間の数ヶ月に一気大量産卵します。

牡蠣の特徴は、産卵後は体内の栄養素が落ちてしまうこと。同時に牡蠣に含まれるグリコーゲン(旨味そのもの)も落ちてしまいます。そのため真牡蠣については、産卵前の冬の時期が旬となります。

大きさは岩牡蠣と比べると小ぶりですが、旨味が凝縮されクリーミーな味わいが特徴です。また真牡蠣は「養殖もの」がほとんどで1年から3年かけて育ちます。